オンラインカジノ・ブックメーカーの違法性 | 海外運営のギャンブルを日本でプレイしても逮捕されないの?
この記事は『オンラインカジノを日本でプレイすることは違法なのか?』という疑問を解決するための記事です。

オンラインカジノの違法性をメインに解説していますが、要点は『ネット上の賭博サイト』に関しての話なので、ブックメーカー(スポーツベット)も対象となります。

オンラインカジノやブックメーカーに興味を持つ人は増えていますが、本当に逮捕はされないのでしょうか?

『長げぇよ!』という方は簡単に読める短縮版を用意しているのでそちらをご覧ください。オンラインカジノの違法性をしっかり理解したい方は続きをどうぞ。

違法性を学ぶ前に知っておきたいこと

オンラインカジノの違法性について解説する前に、オンラインカジノの勘違いしやすい部分についてお話ししておきます。

海外にはオンラインカジノの合法国がある

そもそもオンラインカジノは、カジノが合法である海外で運営されておりその国の法律のもと、真っ当に運営されているサービスとなります。

運営会社側には違法性というものは全くないので、この話は『日本でプレイする側が違法であるかどうか』という話になります。

日本語サイト自体にも問題なし

オンラインカジノは様々な言語に対応したサイトがあり、日本語のサイトもあります。

日本語サイトは、明らかに日本在住の日本人をターゲットに作られたサイトだと考えられますが、プレイをする・しないはオンラインカジノ運営会社側には関係なく、あくまでも自己責任でプレイするかたちになります。

例えば日本で人気のあるベラジョンカジノというオンラインカジノの利用規約にも以下のように書かれています。

ユーザーの管轄区域におけるインターネット賭博の法的地位を判断し、それに応じて行動するのはユーザーの責任です。あらゆる地域での当ウェブサイトの利用可能性は、Dumarcaのウェブサイトが提供するサービスの利用の提案、もしくは勧誘を意味するものではありません。

〜中略〜

Dumarcaは、インターネット賭博が違法である、および/または、当社利用規約のこの条項に違反しているユーザーの行動に対するいかなる責任も負いません。

利用規約:アカウントの開設と認証(2-2)より

Dumarca というのはベラジョンカジノの運営会社になります。つまり、『オンラインカジノを利用する場合は、自分が居る場所(国)の法律を考慮して自己責任でプレイしてください』ということです。

店舗型オンラインカジノは違法

この記事で話す内容は、あくまでも個人の PC やスマートフォンでプレイする場合に限ります。

『裏カジノ』や『闇カジノ』はもちろんのこと、お店でオンラインカジノを利用してその場で換金できる『ネットカジノ店』、通称カジノカフェは違法となります。

無料プレイは日本でも合法

オンラインカジノのサイトへ移動して『サイトを見てみるだけ』や『無料プレイ』をすることは、日本からのアクセスでも合法となります。

今回の話は、リアルマネーを賭けた場合の話となります。

日本の法律では合法?違法?

オンラインカジノに関する法律 イメージ画像

では、ここからオンラインカジノの違法性について解説していきます。

ここで1つご理解いただきたいのですが『オンラインカジノが日本の賭博法に適用されるかどうか』の判例はなく、専門家でも意見がわかれているので『合法・違法』の答えを出すことができません。

人によって法律の解釈も違うので、以下の内容を理解し、自分の中の答えを見つけてみてください。

オンラインカジノの法律はない

日本の法律はインターネットが普及する前につくられており、現在はオンラインカジノに関する法律というものはありません。

そのため、賭博法が適用されるかどうかが問題の焦点となるのですが、賭博法は胴元とプレイヤーが別の場所にいる場合のことを想定された内容ではないので、その部分に穴があると言わざるを得ません。

オンラインカジノに関する法律を新たに制定してしまえば『合法・違法』がハッキリするのですが、政府としてもオンラインカジノは今後大きな財源となる可能性があるだけに、合法にするにしろ違法にするにしろ安易にオンラインカジノ法をつくれないのだと考えられます。

日本国内での賭博は禁止

承知の通り、賭博は法律で禁止されており、日本国内では国に認められた公営ギャンブルとパチンコ・スロットしかできません。

『賭博』に関する法律

第二十三章 賭博及び富くじに関する罪

第一八五条
賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。

第一八六条
常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。

2 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

刑法 第二十三章 賭博及び富くじに関する罪より

『これに勝ったら昼飯奢ってね』くらいの賭けは問題ありませんが、お金を賭けてしまうと少額でも違法となります。

国内のカジノは当然ながら違法となり、スポーツベットも違法です。プロ野球選手が野球賭博で有罪となった事件は、当時大きなニュースにもなりました。

日本国内からネットを利用した場合

日本国内での賭博行為は違法ですが、インターネットを利用して、海外サーバー上のサイトで賭博行為をしたとなると話は変わってきます。

モラル的には『国内で行われた賭博行為なら違法になって当然』という意見が通るのですが、罪は人の気持ちで決まるものではなく、法律に書かれた言葉によって決まります。つまり、賭博法が適用されるかされないかは『法解釈次第』となるわけです。

賭博法はインターネットのない時代に作られているので、ハッキリ言ってザルの状態です。たかだかネットを使っただけで違法を確定させることができず、賭博法を適用させるのが難しい状態となっているわけです。

『ネット賭博』で更に関係してくる法律

第一条
この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する。

必要的共犯
賭博罪は犯罪の成立に二人以上の行為者の相互に対向する行為の存在が必要とされる犯罪である。

刑法 第一章 通則より

賭博は胴元とプレイヤーがセットになった行為とされていますが、胴元(オンラインカジノ運営会社)は海外の法律のもと真っ当に運営されているので法律にあてはめられません。これが、ネットを利用した場合に賭博法を適用するのが難しいと言われる理由です。

必要的共犯の説明

賭博は共犯が必要な犯罪なの?

オンラインカジノの運営会社が海外にあれば、日本の法律で胴元を裁くことは絶対にできませんが、胴元を裁けないからといって日本のプレイヤーも裁けないというのは都合のよい話に感じます。

ここが法律的に『合法・違法』の意見がわかれる部分となります。プレイヤーを単独で罪にできるという法律さえあれば違法が確定するのですが、それがないため『違法性はあるが違法が確定しているわけではない』という曖昧な状況になっているわけです。

刑事責任のメインは胴元にある

オンラインカジノの違法が確定できない理由は『必要的共犯』だけでなく、『刑事責任』にもあります。

もしオンラインカジノに賭博法が適用される場合、プレイヤーが罰金刑なのに対し胴元は懲役刑となります。つまり罪が重いのは胴元であり、プレイヤーの罪はあくまでも付随的なものというわけです。

専門家である津田岳宏弁護士も『そもそも賭博罪は胴元を検挙するための法律』と主張しています。

津田弁護士の解説

ネットには国境がない

オンラインカジノ・ブックメーカーの他にも、ネットでは国境が曖昧なため生じている問題というものもあります。

例えば、モザイクのかかっていないエッチな動画を閲覧しても、動画が置かれているサーバーが海外に置かれている場合は国内法で罰せられません。また、海外サーバーから配信されている電子書籍にも消費税がかからないといった租税回避地(タックスヘイブン)も国内法では罰せられません。

カドカワ代表取締役会長の川上量生氏は、ネットには治外法権があり、完全に取り締まるのであれば、中国のような大規模のアクセス規制が必要とコメントしています(当時はドワンゴ代表取締役及び会長)。

ネットでは国境があいまいな現状について川上氏は、「利用者が特に疑問をもたず『そういうものだ』と理解している」点や、今のままの状態でネットを使い続けた方が経済的合理性ありと認識されている点を指摘しています。またネットは自由で、国境で規制されるべきでないとのイデオロギーが利用者間に定着しているという。

利用者は居住国の法律で、またサービス提供者はサーバーの所在地の法律で、それぞれ縛られる。この環境下で、グーグルのようにグローバルな巨大ネット企業が影響力を増している。このような状況が、ネットの「治外法権」を生み出していると分析する。

海外にサーバー置くサイトは「治外法権」なのか 取締り方法は中国型の「アクセス制限」だけ より

違法と違法性の境界線

法律に関しての解説は以上となります。やはり現在の法律では『合法・違法』を確定させることは難しく、当サイトとしても『違法ではないが違法性はあり、合法ではなく脱法』という結論になります。

違法と違法性の境界線は、裁く対象をプレイヤーのみにできるかどうかという部分にありますが、現在の曖昧な法律ではそれを確定させることは難しく、法律が整備されないことには今のまま答えは出ないと考えられます。

日本での実情とは?

スマホでオンラインカジノをプレイする人 イメージ図

現在の賭博法では、オンラインカジノが合法か違法かの答えを出せませんが、その状態でプレイすると『逮捕』はされるのでしょうか?

ここからはオンラインカジノの実情、つまり『実際日本でプレイしたらどうなるの?』という部分について話していきます。

これまでのオンラインカジノの歴史

オンラインカジノの歴史は 1994年のイギリスから始まりました。当時はインターネットすら一般的に普及しておらず、日本でオンラインカジノをプレイしていた人はほとんどいなかったと思います。

しかし、Windows95 が日本でも爆発的に売れてから徐々にインターネットが普及していき、2000年以降はオンラインカジノが日本国内でもアンダーグラウンドな娯楽として広まっていきました。

そして 2016年にオンラインカジノをプレイしていた日本人が初めて逮捕されます。オンラインカジノ誕生から22年後のことでした。

現在、日本人プレイヤーが逮捕された事件はこの1件だけとなります。この事件以降も逮捕者はでていません。

事件になったのは2016年のみ

初めて日本人プレイヤーが逮捕されたのは 2016年ですが、実はこの年にオンラインカジノ絡みの事件が3件起こっています。

  • 2016年2月15日 決済サービスの運営関係者3名が逮捕された。決済サービスは Net BanQ、VIP BANQ、i BanQ、Z BANC(千葉県警)
  • 2016年3月10日 スマートライブカジノの利用客3名が逮捕された(京都府警)
  • 2016年6月10日 オンラインカジノ(ドリームカジノ)の運営関係者5名が逮捕された(京都府警)

4ヶ月のうちに3件です。22年間も野放し状態で、これ以降の事件も起こっていないので、この期間のみオンラインカジノに対し何らかの力が動いたと考えられます。

日本人プレイヤーは増加している

2016年に日本人プレイヤーが逮捕されたとはいえ、スマートフォンの普及やオンラインカジノサイトの日本語化によってプレイヤーの数は増え続けています。

当サイトでも、毎月オンラインカジノのアクセス数を集計してオンラインカジノランキングを更新しているのですが、日本からのアクセス数は右肩上がりに増えているので間違いありません。

ここ数年で、ほとんどのオンラインカジノはダウンロード不要のブラウザゲームが充実してきたのも大きな要因だと感じます。

マスメディアでは容認している?

オンラインカジノではありませんが、スポーツニュースで『海外のブックメーカーではこのような倍率となりました』という1コマを見ることがあります。

どれだけ力の差があるのかが分かりやすい表現だとは思いますが、日本のマスコミがそんなこと言ってもいいの?と感じる場面です。

例えば、2015年に行われたラグビーW杯イングランド大会、南アフリカVS日本のニュースや、ボクシングのパッキャオVSメイウェザー戦のニュースではブックメーカーという言葉をよく耳にした記憶があります。

野放し状態が続くアングラ業界

オンラインカジノの誕生から現在まで、たくさんの日本人がインターネットを利用してカジノを楽しんできました。

その中で、プレイヤー逮捕の事例は1件だけで、現在も多くの日本人が普通にオンラインカジノをプレイしています。

合法や違法という点では答えはでませんが、現状を見ると答えは出ているのかもしれません。

事件から逮捕のボーダーラインを読み解く

逮捕されるライン イメージ図

現在も多くの日本人がオンラインカジノをプレイしているとはいえ、逮捕の事例がある限り安心してプレイできないと思います。

ここからは、2016年の2月〜6月にあった3つの事件について解説します。

Net BanQ 事件

2016年2月15日に日本国内でオンラインカジノの出入金に利用される決済サービス会社を運営していた人が逮捕されました。プレイヤーではありませんが、オンラインカジノ絡みの事件は全国で初めてのことになります。

オンラインカジノが利用できる国内口座サービスを運営し客に賭博をさせたとして、千葉県警サイバー犯罪対策課は15日、常習賭博の疑いでさいたま市浦和区本太1、通信会社役員、益田伸二(50)と埼玉県蓮田市見沼町、自称会社員、島田賢一(43)両容疑者を逮捕した。益田容疑者らはほぼ全国の客約1600人に約23億2800万円を賭けさせ、約10億4400万円の収益を上げていたとみられる。インターネットを使った無店舗型オンラインカジノに関して賭博罪を適用したのは全国初。

逮捕容疑は共謀し2012年11月28日ごろから昨年10月14日ごろまでの間、オンラインカジノが利用できる「NetBanQ」「VIPBANQ」などと称する入出金口座サービスを運営し、常習的に不特定多数の賭客を相手に、多数回にわたりこの口座に金を振り込ませてオンラインカジノ内のバカラなどの賭博をさせた疑い。

同課によると、客は益田容疑者らが作ったこの口座に現金を入金。それを海外サーバーで運営されているオンラインカジノ内で仮想のドルに換金して賭け、この口座を通して客が指定した口座に現金の払い出しを受ける。客は自宅などのパソコンからインターネットを通じて賭博行為ができるという仕組み。

同課は昨年10月、インターネットオークションを使い偽エラーコインを販売したとして兵庫県内の無職男=当時(39)=を逮捕。その調べで男がこのオンラインカジノの客だったことが分かり、そこから益田容疑者らが浮上。益田容疑者の管理する口座に約1億2250万円があったことなどから、同課は同月15日に犯罪収益移転防止法違反の疑いで益田容疑者を逮捕していた。

益田容疑者は「オンラインカジノの決済サービスを行っていたことは間違いないが、賭博はしていない」、島田容疑者は「入出金専用システムのオペレーターをやったのは間違いないが賭博には当たらないと思っていた」と、いずれも容疑を否認。同課では海外在住の主犯格とされる日本人の男、システムを24時間体制で監視していた30~50代の男3人の存在を把握、6人による組織的犯行とみて調べるとともに、賭博行為を行っていた客らを任意で調べている。

同課によると、1回のゲームに480万円賭ける客のほか、最高で3千万円を稼いでいた客、9千万円負けていた客もいたという。

千葉日報-国内口座使い客に賭博か オンラインカジノ全国で初摘発 会社役員ら逮捕 千葉県警

その4ヶ月後の6月16日、同容疑で主犯とみられるフィリピンに住む自称自営業、椎原宰(つかさ)容疑者が逮捕、送検されました。

利用客の逮捕

この事件で逮捕されたのは決済サービスの運営者ですが、その決済サービスを利用していたプレイヤー数名の自宅にガサ入れ(在宅捜査)が入り、書類送検されたという情報があります。つまり、利用客の逮捕はされておらず刑事処分はありませんでした。

ちなみに当サイト以外の個人サイトの情報はスマートライブカジノ事件と混同している情報が多く見られたので注意してください。

Neteller(ネッテラー)が日本との取引きを中止する

無店舗型のオンラインカジノ絡みの事件、しかも決済サービス会社が摘発されたことを受け、当時多くの日本人プレイヤーが利用していた Neteller という決済サービス会社が、日本との取引きを中止しました。

具体的に言うと、オンラインポーカー、カジノ、スポーツくじ、他のギャンブルゲーム業者との取引きが利用停止となり、多くのプレイヤーは Neteller と同じような決済サービスである ecoPayz(エコペイズ)を利用することになりました。

スマートライブカジノ事件

2016年3月10日に、国内で初めてオンラインカジノの日本人プレイヤーが逮捕されました。

海外のインターネットのカジノサイトで賭博をしたとして、京都府警は10日、賭博(単純賭博)の疑いで埼玉県越谷市の制御回路製作会社経営、関根健司(65)▽大阪府吹田市の無職、西田一秋(36)▽埼玉県東松山市のグラフィックデザイナー、中島悠貴(31)-の3容疑者を逮捕した。府警によると、無店舗型のオンラインカジノの個人利用客が逮捕されるのは全国初とみられる。

逮捕容疑は2月18~26日、会員制カジノサイトに接続、カードゲームで現金計約22万円を賭けたとしている。3人は容疑を認め、「海外サイトなら大丈夫だと思った」と話している。

利用された「スマートライブカジノ」は、英国に拠点を置く登録制のオンラインカジノ。日本語版サイトが平成26年9月ごろに開設されたとみられる。クレジットカードや電子マネーを使って賭けや払い戻しができる仕組み。日本人女性がディーラーを務め、日本語でチャットをしながらブラックジャックやルーレットなどのゲームができる。

府警によると、関根容疑者は「1千万円ぐらい使った」と供述。ブラックジャックの利用客だけで月に少なくとも約1400万円の賭け金が動いていたとみられ、府警は運営実態や資金の流れを調べる。

海外のカジノサイトを利用した賭博をめぐっては、千葉県警が2月、客に賭博をさせたとして、サイトの決済代行会社役員の男ら2人を常習賭博容疑で初摘発している。

産経ニュース-ネットカジノ客の男3人を逮捕 海外の会員制サイト「スマートライブカジノ」利用 京都府警

最後の一文は NetBanQ 事件のことです。日本人オンラインカジノプレイヤーが単独で逮捕となったこのスマートライブカジノの事件は、NetBanQ 事件からわずか1ヶ月後に起こり、オンラインカジノファンに大きな衝撃を与えました。

しかし、逮捕されたうちの1人が不起訴となったことで『オンラインカジノは合法』だという情報も流れることにもなります。

スマートライブカジノが狙われた理由

ではなぜ警察が逮捕に踏み切ったのかを解説します。警察に狙われた理由はスマートライブカジノ側にあったのでしょうか?それともプレイヤー側にあったのでしょうか?まずはスマートライブカジノの要因を見てみましょう。

日本人限定のサービスだったから目をつけられた?

スマートライブカジノは、オンラインカジノ業界初の日本人ライブディーラーがいました。日本語でライブチャットもできるため、日本で爆発的な人気が出たそうです。

スマートライブカジノの日本人女性ディーラー
日本語でできるライブチャットの様子

登場日時は、木曜、金曜、土曜の17:00~25:00と限定されていましたが、日本人の利用が多い時間帯ですし、実質的に日本人のサービスととらえられ目をつけられたようです。

ただ、実際のところスマートライブカジノ自体は日本人限定のサイトではありませんでした。下の画像のように、日本語と英語サイトの切り替えはありますし、動画のように外国人ディーラーの方が多く在籍して海外の方もプレイしていました。

スマトラ 日本語サイトと英語サイトの切り替え

さすがに現在はどのオンラインカジノにも日本人ディーラーはいませんが、今後このようなサービスがあった場合は注意が必要だと思います。

プレイヤー同士の賭け状況が見えた

上のライブチャットのように、賭けた金額や ID が表示されていたことで、警察は賭博の事実の確認ができました(画像のIDはモザイク加工しています)。これは他のライブカジノでも賭け状況は確認できるので、現在も ID 情報だけは公開しないようにしなければいけません。

警察は潜入捜査のときに、スマートライブカジノのアカウントを作成し、少額の入金をしてライブカジノを覗いていたと考えられます。

3人が狙われた理由

事件があったスマートライブカジノは、当時逮捕された3人以外にもたくさんの日本人プレイヤーが利用していたオンラインカジノでした。しかしなぜ、3人だけが逮捕され、その他大勢の日本人は逮捕されなかったのでしょうか?

ブログでプレイ履歴を公開していた

現在3人のブログは削除されていますが、彼らはブログでオンラインカジノのプレイ状況を記載していたそうです。そこに幾ら勝っただとかプレイ画面のスクリーンショット画像を載せていたため ID が割れたみたいです。

ハッキリ言ってこれは大きなミスです。ブログや SNS から住所を割り出すのは可能ですが、オンラインカジノのIDはいくら警察でも割り出せないため、自分からアカウントIDを晒すのは自殺行為です。

クレジットカードで直接入金をしていた?

ネット上では『逮捕された3名は、クレジットカードで入金をしていたので足がついてしまったのでは?』という情報が流れていますが、私的にはこの情報はガセだと思います。

スマートライブカジノ事件の後、スマートライブカジノの元社員を名乗る人が『彼らは決済サービスから入金していた』と話しています。ソースは2ちゃんねるですが、名刺やオフィスの画像をアップしているので信憑性は高いと感じます。

スマートライブカジノの看板
スマートライブカジノの看板

スマートライブカジノの名刺
スマートライブカジノの名刺
スマートライブカジノのデスク
スマートライブカジノのデスク

スマートライブカジノのオフィス
スマートライブカジノのオフィス

警察がどのようにして入金の足取りをたどったのかは不明ですが、多分ここは証拠不十分だったと考えられます。当時からほとんどのプレイヤーはクレジットカードで直接入金しており、現在もクレジットカード入金が主流です。

また、現在はどのカジノでもクレジットカードで入金する場合は1度決済代行サービスをはさむので警察は入金の足取りはつかめません。

ドリームカジノ事件

2016年6月10日に、オンラインカジノを国内で運営していた人が逮捕されました。

インターネットのオンラインカジノサイトを運営し客と賭博したとして、京都府警は10日、常習賭博容疑で、大阪市中央区本町橋の会社役員、坂本拓也容疑者(39)ら実質運営者5人を逮捕したと発表した。府警によると、坂本容疑者は「逮捕事実には誤りがある」などと容疑を否認している。無店舗型オンラインカジノの運営者が逮捕されるのは全国初という。

逮捕容疑は、共謀し、大阪市天王寺区に事務所を設けオンラインカジノ「ドリームカジノ」を運営し、平成25年12月~今年3月、サイト上で複数回にわたり不特定多数の客を相手に、ポーカーの賭博をしたとしている。

オンラインカジノは、自宅のパソコンなどからネット上でポーカーやルーレットなどの賭博ができる仕組み。ドリームカジノは24年11月にオープンしたとみられ、会員数は約9500人、賭け金の総額は約19億2600万円に上るという。

ドリームカジノは、カジノが合法なオランダ領キュラソー島で営業許可を受けているとサイト上に記載していたが、サポートは日本語のみで行われていたことなどから、府警は国内で運営されていると判断した。

産経ニュース-オンラインカジノ運営業者を逮捕 全国初…国内運営と判断

この判決は、常習賭博罪と常習賭博ほう助罪で有罪となりました。ライセンスを取得し、イギリスのネットサーバーを使用していたとはいえ、サイト制作、サポート、経理の担当が大阪の会社となれば運営会社が日本と判断されても仕方がありません。日本で運営していれば明らかに違法となります。

サイト自体に落ち度はなかった

ドリームカジノの事件で警察が動いたのは、サポートが日本語だけであったからだとされています。

私はドリームカジノにメールをしていないので、英語への対応がどうだったかは知りませんが、ドリームカジノは多言語サイトに切り替えられていましたし、英語サイトからの問い合わせも可能でした。

ドリームカジノの多言語切り替え
ドリームカジノの英語版お問い合わせページ

問い合わせ先のメールアドレスは、日本語でも英語でも『support@dreamonlinecasino.com』宛てとなっていますが、それはどこのオンラインカジノでも同じことです。

また、運営会社であるLeisure&Entertainment N.V.の所在地はオランダのキュラソーで、ライセンスもキュラソー政府のものでした。

ドリームカジノの住所とライセンス表記
キュラソー政府のゲーミングライセンスロゴマーク(イメージ)

住所もしっかりと Landhuis Groot Kwartier Groot Kwartierweg 12 となっているので、大阪で運営しているとはサイト上で判断することはできません。

ドリームカジノを利用していた個人プレイヤーはどうなったの?

ドリームカジノの運営者は常習賭博罪で有罪となりました。つまり、そのカジノを利用していたプレイヤーが日本にいる場合、通常なら必要的共犯が成立してプレイヤーにも賭博罪が適用されてしまいます。

しかし、ドリームカジノのウェブサイトには運営拠点がオランダ領キュラソー島と明記してあり、海外の法人名も明記してありました。もちろんライセンスも取得していて、プレイヤーは経理を大阪でしているという事実を確認することができませんでした。

結果的には、ドリームカジノの登録情報を入手した警察から数人の個人プレイヤーへ電話があり、注意勧告で済んだそうです。

プレイヤーの被害がこれだけで済んだのは、住所の確認が取れなかったことの他、警察は『賭け状況』を掴めないからだと思います。誰が、いつ、幾ら賭けて、幾ら儲けたのか?ウラをとれなければ誰も逮捕できません。

警察は逮捕できる?できない?

動かない警察(イメージ画像)

ここまでにオンラインカジノの『法律』『実情』『事件』について話してきましたが、これからもしあなたがプレイした場合、警察が動いて実際に『逮捕』されることはあるのでしょうか?

オンラインカジノの新規参入者が最も気になる核心の部分について解説していきます。

海外サーバーへの捜査令状はとれない

現在の日本の警察は、海外サーバーへの捜査令状を取ることができません。つまり、オンラインカジノに個人情報のわかるアカウント ID や、賭け状況のわかるログファイルを開示させることができません。

政府機関、規制当局または執行機関に適用される法律または規制により要求がある場合はその限りではありませんが、現在の法律が変わらない限り無理な話です。

裏付け捜査の限界

もし、警察が日本人プレイヤーを取り締まるのであれば、協力者なしの状態で以下のような証拠を揃えなければなりません。

  • プレイヤーのアカウント ID
  • 住所や名前などの個人情報
  • 入金経路
  • 入金金額
  • 賭けが行われた時間
  • 賭けた金額
  • 儲けた金額
  • 出金経路
  • 出金金額

まず、アカウント ID を調べるところから不可能です。

スマートライブカジノで逮捕された人たちは、ブログや SNS でプレイしている画像をアップしていたことで、そのスクリーンショットから ID が割れたようですが、それさえしなければ警察が証拠をつかむことはできません。

次に出入金に関してですが、基本的にオンラインカジノの出入金は決済代行サービスを使うようになっています。

例えば、クレジットカードで入金するにしろ、1度プリペイドを購入して入金という流れになりますし、出金も決済サービスを間にはさんで現金を銀行口座に送金する流れになります。

これらのセキュリティは強固であり、時としてマネーロンダリングにも使われるほど『元のお金が何なのか』を調べることはできません。

最後に賭け状況です。ライブカジノでは誰が幾ら勝ったなど見ることもできますが、ID が割れていなければその誰かを知り得ることはできません。

つまり、自分で自分の情報を公開していなければ、警察はそれ以上捜査することはできないわけです。

検察が起訴しないから逮捕できない

日本の検察が起訴した事件というのは、99.9%以上の確率で有罪になります。これだけ高い有罪率になる理由は、100%勝てる事件しか起訴しないからに他なりません。

つまり、オンラインカジノのような合法・違法の判断が難しい事件では、裁判の意思を示せばほぼ100%起訴は取り下げられます。

検察が起訴をして無罪となれば警察と検察の責任ですが、逮捕しても起訴されないのであれば警察の責任です。検察のメンツを守るためには起訴猶予(不起訴)というのが絶対的に無難な選択となります。

スマートライブカジノ事件で起訴を取り下げてしまった以上、これから警察も手を出しにくくなってしまったのではないでしょうか。

警察の取締り強化

2016年にあった3件のオンラインカジノ絡みの事件は、明らかに警察が取締りを強化したと考えられます。

今後このような事件はまずないと考えられますが、もし今後オンラインカジノ絡みの事件が発生した場合はプレイを控えた方が良いかもしれません。

日本でオンラインカジノをプレイする場合は、そのようなニュースも気にかけておきましょう。

増えすぎてしまった日本人プレイヤー

私は毎月ツールを使って、日本から各オンラインカジノへのアクセス数を調べていますが、上位4サイトで約80万PVもあります。

実際にプレイしているユーザー数を割り出すことはできませんが、これだけのアクセスがあれば、かなりの日本人がオンラインカジノをプレイしているのは間違いありません。

もしオンラインカジノをプレイした日本人を逮捕するとなった場合、何万人もの日本人を逮捕するのでしょうか?それはあまりにも現実的ではありません。

スマートライブカジノの事件でも、同じカジノでたくさんの日本人がプレイしていたにもかかわらず、逮捕者はたったの3名でした。全員逮捕は不可能です。

日本でも合法化するのか?

合法化のイメージ

2018年7月に、カジノを含む統合型リゾート(IR実施法案)が可決され、法律で一部地域のみカジノを運営することが許可されました。

これにより、オンラインカジノに関しての法律は何か変わったのでしょうか?

オンラインカジノは合法にはならない

今回のIR実施法案で、オンラインカジノ絡みの法律が整備され合法になるのではないかとウワサされていましたが、特にそのような記述はありませんでした。

日本でオンラインカジノをプレイするのは、今まで通りアングラな状況で変わりはないようです。

カジノ運営者のオンラインカジノは禁止

IR実施法案では、カジノ施設内のみ賭博が解禁され、カジノ施設外から参加できるオンラインゲームは不可とされています。

これは日本での運営が不可という意味であり、オンラインカジノを違法とする取り決めではありません。

日本人はギャンブル依存症が問題点

ギャンブル関連の法律でなにかと関わってくるのが『ギャンブル依存症』への対策です。この対策が取れない限り、スマートフォンでもプレイできるオンラインカジノが合法になることはないでしょう。

都留文科大学教授の早野慎吾氏は、カジノが盛んな国よりも日本人のギャンブル依存症発症率は高いと報告しています。オンラインカジノが完全に合法となる日はまだまだ遠そうです。

プレイに際しての注意点

注意点イメージ

日本からオンラインカジノをプレイすることがどのようなものか理解し、自分の中の答えは出ましたでしょうか?

最後にオンラインカジノをプレイするにあたっての注意点を伝えておきます。

運営会社とサーバーの所在地をチェックする

オンラインカジノと決済サービスを利用する場合は、必ず海外の運営会社であることを確認してください。その際チェックすべきなのは、会社の住所とネットサーバーの『所在地』です。その所在地がオンラインカジノの合法国でなければ日本でもプレイすることはできません。

当サイトで紹介しているオンラインカジノはすべてチェックしています。

ライセンスやカジノの規模をチェックする

ゲーミングライセンスを所持していないオンラインカジノというものは見たことないですが、あまりにも無名なオンラインカジノは敬遠すべきです。

警察に目をつけられる可能性があるほか、カジノ閉鎖の可能性もあります。カジノの規模(人気度)は、オンラインカジノランキングでもチェックできるのでご一読ください。

ネット上に ID を晒さない

これは絶対です!SNSやブログに自分のアカウントIDを書き込んだり、IDがわかる画像をアップロードしないようにしましょう。

また、ネット上でオンラインカジノをプレイしていると公言することもひかえておいた方が良いでしょう。

最後に

かなり長くなってしまいましたが、それだけオンラインカジノの違法性について詳しくなったとおもいます。それでもやっぱり不安だという方は、オンラインカジノでプレイすることはあきらめて完全に合法なリアルカジノへ行ってください。無理にプレイする必要はありません。

興味がある方は、当サイトはオンラインカジノの始め方を解説しているブログなので、他の記事も見ていってください。